↑白栗不動産自宅兼事務所 移築写真
移築って何?
移築とは、建物を一旦解体してほかの場所へ移し建てることです。昔は住宅を得る手段として盛んに行われていましたが、今ではほとんど途絶えてしまった手法です。
その途絶えた理由は、現代建築は移築よりももっと簡便に建物を得られるようになったからです。
昔の家造りは移築の方が簡便なの?
昔の家造りを簡単に紹介します。
①建てる家の概要が決まったら、懇意の大工(棟梁)を伴い山に入って用材の木定めをする
②降雪前の一番いい時期(新月伐採ともいう)に伐採
③用材を里に出すのは主に冬、ソリを使って搬出するとても危険な作業を数年かける
(用材が里に集まってきたら家ができたという感覚だったという)
④製材所のない時代は、木挽き・ハツリ・チョウナかけ・カンナかけ等手作業が延々と続く
⑤棟梁による墨付け、用材の加工を終えてようやく建前(上棟)
以上が飛騨の家造りの流れです。いずれにせよ1年や2年で完成することはなく、5年10年の期間費やすことも珍しいことではありませんでした。
用材を山から出すことや建前などは、大勢の村人の応援を得て行われ、危険と負担をかける作業です。それを回避するための手段として移築を選択することは至極当然のことだったのです。
↑現在の白栗不動産自宅兼事務所
白栗不動産の自宅兼事務所は、昭和60年から61年にかけて富山県八尾の山奥にあった古民家を移築したものです。
母屋の裏手には、飛騨地方の穀物倉庫として、明治・大正時代に普及した純木造の小ぶりな建物「板倉」を2棟移築して「板倉の宿 白栗」としております。
↑移築した板倉 板倉の宿 白栗の「朱」と「藍」
移築した古民家で暮らした39年間、その想いは語り尽くせないものがあります。暮らした実感から皆さんに自信をもってお勧めしております。移築してから39年、未だに少しずつ手を掛けています。家造りは完璧に造りこむのではなく、「余白」を残す、そんな思いで暮らしております。
そして古民家移築の良い所と言えば、下記の二つです。
・気に入った古民家を手元に残すことができる
・気に入った古民家を再生することができる
10年間の古民家移築の実績として、、、
県外 鹿児島曽木・北海道ニセコ・福島浪江・長野菅平・京都3棟(現在進行中)
岐阜県内 9棟
もちろん古民家の改修も手掛けておりますので、お気軽にご相談ください。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
右記「」内リンクより、「移築を希望する古民家たち」があなたを待っています。
現存するしっかりした家がこの先100年経てば、それは立派な古民家です。その意味において古民家は無くなることはありません。しかし、明治・大正の古民家が担ってきた冠婚葬祭という儀式に裏付けられた「しつらい」を現代の家が再び纏うことは恐らくないでしょう。伝統の「しつらい」の完成美に触れ、そしてそれらを表現する素敵な名称を発することで、古民家暮らしはより豊かになると確信しています。