「古民家再生」という施工する側に立ったこのフレーズも久しいものがあり耳慣れした感があります。が、はたしてフレーズどおりに古民家再生に繋がっているか疑問を持ちます。とは言え、私たちが古民家と言っている民家の造形は新たに供給されない限りいづれはなくなるのですから、現存する古民家を残そうと言う機運は歓迎すべきことです。
古民家が担ってきた神秘性とか精神性という感性が、今後の現代民家にも受け継げられ行くか?それは分かりませんが、日本人の心、日本人の文化、いわゆる日本的なものは自信をもって大切に残して行きたいと思います。
古民家は生きています。住み手を失った古民家は次なる住み手となるあなたを待っています。古民家暮しで大切なことは、便利さだけの追求ではなくて、伝統を生かすすべを考えること、つまり、現在の生活に伝統を取り込む楽しさを発見することだと思います。古民家は奥が深くまた寛容です。これは私の古民家を移築して30年間住んだ感想です。どうか最初から造りすぎないでください。後悔します。私は大いに後悔しました。(笑)古民家に住みながらあなたの考えをゆっくりと具現してください。そのほうが満足度アップすること請け合いです。