民家には土間と板間と座敷の空間構成があります。民俗学では土間は縄文時代の竪穴住居、板間は平安時代の寝殿造、座敷は武家時代の書院造を受け継ぐものと言われています。長い長い歴史が民家に取り込まれていることに驚きを持ちます。同時にそんな歴史ある民家の構成が日本人の心身のカタチづくりに少なからずかかわってきたは理解できるところです。
話は変わりますが、昨年お寺の門徒入りをさせていただきました。折に配りものが届きます。東本願寺、別院、お寺からなどの配りものが檀家役員から届けられるのです。「西念寺かわら版」を見ていた女房が言います。「仏壇がなければ子育てはできないって・・・」と、新築の家をおばあちゃんに披露した孫が仏間や床の間がないことで「あんたな、仏壇のうて子育てできると思っとるのか」と、叱責されたことがかわら版の書き出しです。その光景を想像すると笑えそうですがおばあちゃんのことばには重いものを感じてしまいます。
民家で、神秘性とか精神性を感じるところは仏間であり、床の間であるのは間違いないと思います。
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